2026年のOCRモデル比較:スキャンPDF、表、API費用
スキャン文書向けにMistral OCR、Google Document AI、PaddleOCRを比較。文字認識、レイアウト復元、利用可能なページの費用を分けて考えます。

請求書からすべての数字を読み取れても、価格を別の商品に結びつけてしまえば使えません。光学文字認識、つまりOCRは画像から文字を読み取ります。ページ上の順序や関係を復元することは別の要件であり、多くの場合はこちらが結果を使えるかどうかを決めます。
ホスト型文書解析の試験にはMistral OCR 4.1、文字認識の基準にはGoogle Enterprise Document OCR、ローカル処理の維持が本当に必要ならPaddleOCRから始めます。 文書構造が重要ならGoogle Layout Parserも加えます。既存環境との比較では、より安価なMistral OCR 3も候補に残ります。これは必要な出力から選んだ候補一覧であり、独自に測定した精度ランキングではありません。
情報源と価格は2026年9月7日に確認しました。OCRモデルと、それを提供するサービスを比較し、各候補がダウンロード可能なモデルではなくプロセッサーやツールキットである場合も区別します。PDFチャットアプリと、すでに読み取り可能なテキストからの抽出は対象外です。
モデルより先に必要な出力を決める
| 候補 | 評価するもの | 主な判断 |
|---|---|---|
| Mistral OCR 4.1 | ブロック情報を含む文書解析 | 必要な関係が結果に残るか |
| Mistral OCR 3 | 引き続き利用できる低価格のOCRエンドポイント | 新しい出力に合わせて既存連携を変える価値があるか |
| Google Enterprise Document OCR | マネージド型文字認識プロセッサー | 認識された文字だけで十分か |
| 同じ料金ページのGoogle Layout Parser | 構造抽出と初期チャンク分割 | 見出しや表の関係が残るか |
| PaddleOCR | ローカル展開できるOCR・解析ツールキット | 選んだ構成を自分で運用、評価できるか |
MistralのOCRプロセッサーガイドには、OCR 4以降でのブロック抽出が記載されています。記録には正確なモデルIDを残してください。更新されるlatestエイリアスは候補探しには便利ですが、過去の試験を再現しにくくします。
PaddleOCRは、同じスコアで交換できる一つのモデルではありません。リポジトリにはPaddleOCR-VLを含む文字認識・文書解析コンポーネントがあります。展開するバージョンと設定を固定してください。ダウンロード型ソフトウェアならホストサービスのページ単価はなくなりますが、計算資源、導入、更新、レビューの費用まで消えるわけではありません。
PDFに正確なテキストレイヤーがすでにあるなら、ページを再認識する費用を払う前にその内容を確認します。スキャン文書では、実際のスキャン品質を標本に含めてください。きれいなデジタル書き出しと、斜めに撮ったスマートフォン写真を、一つの曖昧な精度でまとめるべきではありません。
1万ページの処理費用
以下は、税、ストレージ、再試行、追加機能、個別割引を除いた、1万ページ処理時の米ドル建て従量料金例です。Google OCRの行では、単価が分かるよう無料枠適用前の有料料金を示しています。
| サービスと処理方法 | 1,000ページあたりの掲載料金 | 利用分の例 |
|---|---|---|
| Google Enterprise Document OCR、標準有料枠 | $1.50 | 無料枠適用前で$15 |
| Mistral OCR 3、OCRのみ | $2 | $20 |
| Mistral OCR 4.1、OCRのみ | $4 | $40 |
| Mistral OCR 4.1、注釈付きページ | $5 | $50 |
| Google Layout Parser | $10 | $100 |
| PaddleOCR、セルフホスト | 自社インフラ費 | 展開した構成で測定 |
Googleの現在の標準OCR料金では、最初の1,000ページが無料です。無料枠をすべて使える場合、このプロセッサーで1万ページを処理する費用は**$13.50**です。Layout ParserとOCRのアドオンは別々の課金項目です。$1.50の単価ですべてのDocument AI機能を使えるわけではありません。
同様に、MistralのOCRのみの料金は、注釈付きページの料金とは異なります。費用を比べる前に、実際に使う出力を決めてください。異なる出力を処理するサービス間の価格差は、効率の差を示しません。
表には正しい文字以外の情報も必要
小さな架空の発注書で合格条件を決めます。
| 商品 | 数量 | 単価 | 行合計 |
|---|---|---|---|
| 青いフォルダー | 12 | $2.50 | $30.00 |
| 白いフォルダー | 8 | $3.00 | $24.00 |
自分でテスト文書を印刷またはレンダリングし、スキャンと斜めに撮った写真を評価に含めます。想定小計は$54.00です。六つの数字をすべて返しても、二つの単価を入れ替えたシステムは表を正しく復元していません。
少なくとも三点を分けて確認します。文字そのもの、各値が属する行と列、そして見出し、注記、合計の前後における読む順序です。原文のセルが空なら、値を作るのは誤りです。送料を含むかどうかを脚注が変えるなら、その欠落は見た目の空白の違いより重大かもしれません。
採点前に別のモデルへOCR結果を黙って修正させないでください。それではOCRと修正を組み合わせた仕組みを評価することになります。役立つ場合はありますが、追加の使用量とデータを作り出す可能性を隠してはいけません。
代表的な一括処理には、通常の文書だけでなく、実際の工程が苦手とする例も入れます。薄いスキャン、結合された表セル、複数列、回転した文字、手書きの追記などです。文書種類ごとに結果を記録します。簡単なページに偏った高い平均値では、手作業が残る種類を隠してしまいます。
ベンチマークで候補を探し、自分のページで確かめる
OmniDocBenchは、文字、表、数式、読む順序などの要素を分けた文書解析データと評価を提供しています。ここで役立つのは、作業が分けられている点です。スコアを引用する前に、ベンチマークのリリース、試験済みチェックポイント、評価設定を確認してください。
私たちはこのベンチマークを再実行しておらず、現在の全エンドポイントで発注書例を試してもいません。公開データでの結果は調査候補にする理由にはなりますが、特定の仕入先のレイアウトを扱える保証ではありません。提供元による結果は、提供元の根拠であることを明記します。
運用面では、確認に合格した一括処理の費用を比べます。架空のサービスで1万ページの処理費が$40だとします。うち200ページの修正に各2分かかり、人件費を時給$30と仮定すると、レビューに**$200**が加わり、合計は$240です。このエラー数と人件費は、掲載サービスの測定値ではありません。
この例は、ページ単価の小さな節約より、繰り返し起きる一つの表エラーのほうが重要になりうる理由を示します。処理ページ数とともに修正時間を記録し、失敗したページも費用計算に残してください。
文字とレイアウトが信頼できるようになった後は、別の情報抽出モデルで、仕入先、金額、納期などのフィールドへ対応づけられます。確認できるよう元ページを残してください。疑わしい値を文書の実際の記載までたどれなければ、構造化レコードは役に立ちません。
参考資料
- Mistral OCR 4.1とOCR 3:正確なエンドポイント、提供状況、ページ単価。
- Mistral OCRプロセッサーガイド:文書入力とブロック抽出。
- Google Document AIの料金:プロセッサー別の料金と無料枠。
- PaddleOCRリポジトリ:展開可能な認識・解析コンポーネント。
- OmniDocBench:文書解析評価とデータセットの範囲。







